逆転オセロニア 旅路の風 | 第四章 幻想異界 白の塔
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【3】一階層:目覚めよ、封印すでに無く

何もない空間が広がっていた、どうやらここは、白の塔の一階層のようだ。 ガシッ 「待って、アルテレン。」 何かを追って走っていたアルテレンは、フールに手を掴まれやっと立ち止まった。 その後にベルゼブブも走り追いついた。 ギィー、バァン 入って来た白の塔の入口は、硬い扉で閉じられた。 アルテレンを連れ戻ろうとしたフールは立ち止まり、後ろに着いていたベルゼブブはそれを見てため息を着いた。 「これで出口はなくなった。 仕方ないな、とりあえず上に登ろう。」 「そうですね、さぁ行こうアルテレン。」 フールがアルテレンの手を引くと。 「ごめんね二人とも。」 アルテレンは、自身が原因で二人を白の塔に入らせてしまったことを謝った。 「元は、私が調子に乗って軽はずみな言動を言わなければ良かったことよ。」 ベルゼブブも苦笑いしながら言った。 三人が二階層に続く階段に登ると、一階層にどこからか青白い幻想的な結晶が突然出現した。 ガラガラッ その結晶は出現した瞬間崩れ去り、胸に淡い青色のガラス状の心臓のようなものを着いた少女が立っていた。 「あの人達なら・・・。」 少女が小声で独り言をいい、心臓と同じ色彩をした長髪をたなびかせながら三人に着いていった。 Now loading・・・ 二階層、そこは一面中に波の音が聞こえ飛沫が舞い上がる砂浜だった。 「わけが分からないな。 一体、どうなってるのこの空間は・・・。」 ベルゼブブが困惑した顔で言い、後ろを振り向くと先ほどあった階段は消えていた。 「ベルゼブブさん、誰かいます。」 彼女の前にいたフールは、アルテレンの手を握りしめながら砂浜に何度も押し寄せる波に指差した。 ザパァン、ザパァン 波から人型の何かが出て来た。 魚のような顔に赤い目がギョロリと動き、全身青い鱗に包まれているものだった。 ザッ、ザッ、ザッ その者は、三人に向かって来た。 「なんだ、サハギンか。」 その姿を見たベルゼブブは覚えがあった。 黒の大地の海に生息している、半魚人と言う亜人種である。 七罪とも対立している相手でもないため、事情を話せばすぐに平穏におさまると思っていた。 「否、我らは違う。 我らは、神に仕えるもの。 そして、貴様らの同種である。」 彼らは突然そう言うと、海から飛び上がり三人に襲いかかろうとした。 「貴様らは我らとなれ!!!」 「そうか、私を知って神に仕えると言い、更に同種と言うとは、おもしろい挑発ね。 神も喰らう冒涜の蟲達の巡礼。 暴食のカウリオドゥース!!!」 ベルゼブブが微笑みそう言い放つと、どこからか翡翠色に発光しているカブトムシのような甲虫が群れをなして現れ、サハギン達に襲いかかった。 「ガギャァァァ。」 サハギンらしきものは、聞くに耐えない断末魔を上げながら、その蟲達に覆い隠され即座にその体を蟲に貪られ、その姿を消し去った。 「ひどい、あんまりです。 ベルゼブブさん。」 それを見ていたフールがくちびるを震わせながら言った。 それに気づいたベルゼブブは、しゃがみ込みフールの目線に合わせて真剣な眼差しで言った。 「坊や、彼らを倒さないと私達がやられていたのよ。」 「そうだけど、でも・・・。」 フールが何か言おうとしたが、アルテレンを握った手が強く握られた。 「ありがとうございます、ベルゼブブさん。」 アルテレンが恐怖で震えた手を抑えながら言った。 「アルテレン・・・。」 「ふぅ、まぁ二人が無事で良かったわ。 階段も見えて来たし行きましょう。」 そして、三人はサハギンを倒したことで出現した次の階段に向かって登って行った。 誰もいない、砂浜から声が聞こえた。 「神は、目覚めた。 封印は、そこに置いた。 月読よ我が声を訊け・・・。 貴公の覚醒こそが我ら世界とこの世界の橋となるのだ。」 波の先の海の地平線からは、巨大な影が一瞬見え、霞のように消えた。

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