2 朝顔とサツマイモ

その ' ネコ ' はマイクに向かって"にゃおーん、にゃおーん、にゃおーん"と語りかけていたのだが、やがておかしいと気がついたのか、マイクにつながっている"機械"のダイヤルを調節した。 その"機械"を機械と言っていいのかどうか......、ネコ達がネコ型ボイスチェンジャーとよんでいるものなのだが、' ネコ ' の言葉を ' ニンゲン ' の言葉に変換する代物である。 吾輩は ' ネコ ' である。名前はある。が、おしえないのにゃ。うむ、 ' ニンゲン ' の言葉に変換されたのにゃ。 なぜ突然吾輩が出てきたか分からないだろうかにゃ?。吾輩こそがこの物語の"ナレーター"なのにゃ! おそらく、全知全能である吾輩くらいしか"ナレーター"はつとまらないのにゃ。 とうとつに自称"ナレーター"の ' ネコ ' が出てきたが、彼のことはとりあえずほうっておこう。 プロローグでスライムの少年が『森の向こうの小屋』へ行くことになったが、この物語は、それをさかのぼること数十年前から始まる。 ドゴリコ王国の王都に一輪の ' 朝顔 ' が咲いていた。 知っての通り、' 朝顔 ' という植物は朝のうちのほんの少しの間しか咲いていられない。それゆえ彼女はたいへん慌てていたのである。 というのも、通りがかりの兵士から、王様が"サツマイモ"を至急届けよとのご命令だと言われたからである。 「どうしましょう。どうしましょう。ああ、まずは"サツマイモ"を探さなくちゃ。」 ' 朝顔 ' は辺りを見回すと、幸いなことに"サツマイモ"が一個そこに落ちていたのである。

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