年上彼女の攻略法 | 1:年上彼女の攻略法
サクラナギ

⒈お酒を嗜みましょう

いつも決まってハイボール 家でも外でも変わらずに、スタートはハイボール 「おつかれ様〜!」 乾杯、とぶつけられカランと涼しい音がグラスから漏れる 「美味しい〜、この1杯のために働いてるよー!」 ジョッキの3分の1くらいまで飲んでメニュー表を2人で眺める 「相変わらず迷うねぇ」 ドがつくほど優柔不断なサキさんにいくつか選択肢を出して選んでもらう あとはなんとなく今自分が食べたいものを少しずつ選ぶ感じでこれがいつものパターン メニューくらいでと思うが、まーくんは頼りになるねぇ、なんて言ってへにゃりと眉を下げて笑う この笑い方は仲のいい人にしかしない笑い方 可愛いなあと思ってつい手を伸ばす 数ヶ月前なら躱されていたこの手も、今では「なぁに?」と言って受け入れられる 触れた頬が少しずつ熱を帯びていくのが伝わってくる サキさんはすぐに照れる 嬉しいと顔に出るし、照れると体温に出る ぽわっと熱を持った頬をすりすりと気が付かないふりをして撫で続けていると、んんっと身じろがれた そろそろやめ時かな、頬から手を離せばその手を追うように小さな手が重なった 「やじゃないの」 そう言って指先をきゅっと掴まれる 掴まれたのは指先のはずなのに俺の心臓も同時に締め付けられた 可愛すぎないか、この人 自分がする行動については別に照れないのか手が離れる様子はない 目が大きいから瞳の中にくっきり映る自分がいる あ、なんか…キスできるかな 「お待たせしましたー!」 個室のドアが開いて注文していたものが届いてそっと距離を置く よかった、店員さんナイスタイミング… あのまま見つめあってたらキスくらいここでしてしまう所だった 店員さんが来たことで落ち着いたのか美味しそうだねー!と喜ぶサキさんの顔を見れば今はしなくて良かったのかもしれない 嫌われるのだけは避けたい 嫌われたくない そんなことを言えばきっと嫌いになんてならないよ、と笑い飛ばしてくれそうだけど嫌われたらきっと生きていけなくなる 代わりに1度自分の下唇を噛む 色々自分の中で溜まっている感情は名前をつけれるものではなくて、目の前にいるサキさんを傷つけたくないのと、嫌われないならしてもいいのかな、なんて浅はかな思いにはそっと蓋をして気が付かなかったフリをした。

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