第5話  同胞の回想~ノア

この話から10話まで、同胞の一人称による語りです。 ________________________________________________ 私が私の真実を思い出し、あの子が私の同胞だと知ったのは、あの子が5才の時だった。 夫の亮二さんと5才になった息子の拓馬と私の3人で、海水浴に行く途中だった。 カーブが多く見通しが悪い海沿いの道を走っていた。 急なカーブを曲がり切ろうとした時、目の前に中央車線を越えて大型の対向車が現れた。 どうしようもなかった。 私たちの車は、対向車と激突して崖から海の中に落ちた。 即死だった。拓馬を除いては・・・ 私は、衝突の寸前で覚醒した。 本当の私は、地球人じゃない。 宇宙生命体の成れの果てというのが一番近い。 宇宙生命体は、精神生命体とも言い肉体を持たない。 でも私たちのご先祖は、地球人と同じで肉体を持っていた。 ずっと太古の昔、私たちの先祖は、この銀河系から三十億光年離れた宇宙にある地球によく似た星に住んでいた。 惑星の名はノア でも、科学文明が極限まで発達し、自分たちで自分たちの首を絞めるようになった。 戦争もあった。 それも核爆弾なんて子ども騙しに思えるような武器を使って・・・ 世界が荒廃して文明も後退した。 異常気象や彗星の衝突にも対処できなかった。 ご先祖のほとんどは死んだ。 他の惑星に移住していた人たちも同様で、故郷のノアの争いが波及して争い始め、全ての移住した人々は絶滅した。 ノアからの援助が無くなり、環境の維持ができなくなったのも大きかった。 でも、|極《ごく》一部のご先祖は生き残った。 全てのDNAのスイッチを入れて・・・

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