義父の墓参り 03 千葉ピーナツとセミの声

 千葉に到着。そこから霊園に行くバスの道すがら、『千葉ピーナツ』と茶色の屋根に白字で書かれたお店を発見。  夫「千葉と言えばピーナツぐらいだよな。そういえば、東京のB級グルメってなんだろうな」  私「……雷おこし?」  夫「それは和菓子」  私「ひよ子? 東京ばな奈?」  夫「お菓子から離れろ」  私「食べたい~」  夫「糖尿病予備軍のくせに。ダメ~」  駅前にある花屋で花をふたつ買いました。花屋さんはとても小さかったです。  近くにスーパーがあったので、そっちで花を買ってもよかったのですが、菊がなさそうでした。仏前にそなえるのに、派手な花はやはり非常識かもしれない。  この駅から霊園に行くまでにはイトーヨーカドーがあり、街並みは広島にもありそうな開けた場所です。車買い取り店あり、ボーリング場あり、BMWのバイクの販売店まであるのです。  乗客のなかには、高校生とみられる少女たちが、ポニーテールにしていました。  珍しいことです。ポニーテールって、うなじがそそられるからダメって教育委員会が禁止しているという話を聞いたことがあります。少女たちはニコニコしながら、残り少ない夏休みを楽しんでいるようでした。  見たところ、年よりと少女たちのほかにはバスには乗ってません。少女たちの制服は格子縞のプリーツスカートに半袖の白いシャツ。年よりたちは、ポロシャツを着ていたり、農家のおばあさんが着るような服を着ていたり、都会なのに田舎! という感じです。  この町は、人口はどの程度なのでしょうか。駅に降りる人が多くて、活気もあるようです。バスの定員は50名程度でしょうか。車椅子用のシートは用意されていないように見えました。  墓園前に到着。しかし降車専用停留所で、近くに帰りのバス停がないのです。 「霊園の入口付近にあるコンビニまで戻らにゃならんのか、たまらんなぁ」  ブツクサ言いつつ、歩くこと5分。御影石がズラリとならぶ霊園は、なぜか将棋の形をしたもの(勝つ、と銘がある)や、団地みたいな墓がありました。  はじめて義父の墓に行くので、事務室の女性に案内してもらいました。ほんとに小さな墓で、名前も名字だけというそっけないありさまでした。 「この墓は、一人用だな。下の名前も戒名も彫ってない。遺言執行人たちが彫らなかったんだろうか」  夫は首をかしげました。 お墓に参って帰る途中で、セミの声が耳朶を打ちました。ミンミンゼミの声です。広島だったらジイジイゼミだけど、地域によって違うのだろうか。ネット検索でわかるかしらと考えつつ、霊園の入口まで歩いて戻ります。  

ブックマーク

この作品の評価

0pt

Loading...