墓参り 02 とある魔術の禁書目録と豚まんテロ

 曇り空の岡山を通ります。岡山駅前ではビックカメラのビルがでーんと建っていました。 「昨夜、変な夢を見たのよ」  わたしは、夫に言いました。 「わたしが宇宙船に乗り込んで、遺言状を作ってパソコンに保存したんだけど、それがクジになっていて、ボタンを押すとたくさんの遺言状のうちからひとつが選ばれて出てくるの。  アタリが出ると、百億円の遺産がもらえるんだけど、ハズレだと百億円の借金がもらえるわけよ」 「きみには子どもがいないだろ、だれが相続するんだよ」 「妹がいるもん」 「あーそーか……」  品川へは午前10時56分に着くようです。品川で蒙古タンメンを食べるぞ、とわたしはウキウキ。気の進まない墓参りでも、グルメな目的があるとちょっと違いますよね。  岡山から乗り込んできた男性は、後頭部を刈り上げ、ワイシャツを着て、ビジネスカバンの中からノートパソコンを取り出して、書類を整理し始めています。わざわざこんなところで仕事をしなくてもいいのに……。  離れた席で作業していたので、どんな仕事なのかはよく見えませんでしたが、営業か技術者なのかな、と考えていました。  何気なく新幹線の窓外をながめると、ちょうど姫路近くでは、山の中に錆びた観覧車を見つけました。いまも動いているのだろうかと首をかしげました。 山の中に観覧車があるという不思議さに驚いたわたしが、夫に報告すると、 「それぐらいはあるだろう。成功しているかどうかは知らないけど。そういえば、地方都市のいくつかが、モノレールを作ったけど、大多数はみごとにコケたねえ」  観覧車とは関係ない雑ネタをのたまうのでありました。するどい性格です。  新大阪に近づくと、たこ焼きの匂いが立ちこめてきました。 「蓬莱551の豚まんテロって知ってるか?新幹線のなかで、豚まんを食べちゃいけないんだそうだ。匂いが苦痛なんだとさ」  と夫。わたしは豚まんも大好きですが、最近血糖値があがりすぎ、「糖尿病予備軍」になってしまったため、外食でも糖分の多そうなものはあきらめざるをえないのでした。そう、車内販売ではマンゴーアイスクリームが売られているのに、食べられないんです!  新幹線で車内販売がまだあるのは、うれしいことでした。昭和の頃から令和に至るまで変わらないものって、あるんですよね。買えないけどTT    8:45分京都に到着。五重塔みたいなお寺が見えます。駅には修学旅行生みたいな学生もばっちり。この時期にも大量の学生を受け容れる京都って、ほんとに観光地だと感心してしまいます。一眼レフで子どもたちを撮っている人もいます。 新幹線はそのまま名古屋へ向かいます。雨が降ったりやんだりしていました。9:20ごろ名古屋に着くと、オレンジ色の近鉄特急が見えました。いよいよ、関東に入るのです。夫は、「静岡も東海だろ?」と言っています。  浜松に近いところで、風車(発電用)を発見しました。SUZUKIと記されていました。 発電用の風車、というと、『とある魔術の禁書目録』を思い出すんです。一巻目だけ読みましたが、 アニメでは、主人公上条くんの通っている学園都市に風車が回っていて、近代的なイメージがありました。 上条くんを目の敵にする御坂美琴がわたしは好きだったりします。超能力者でも、おもちゃのコインを念動力でレールガン的にはじくところに、オリジナリティがある。熱せられてコインが蒸発するってところもよく出来てると思いました。  夫はむしろ、魔法科高校のほうが好きで、新刊が出たのにまだ前のを読んでないとあせっています。新幹線のなかで読むつもりなんですって。でも老眼だし新幹線は揺れるし、すぐ疲れて爆睡していました。結局、荷物になっただけなのでした(大笑)  ヒマなので新幹線の電光掲示板を眺めていると、産経新聞ニュースで、  ニュージーランドで身長160センチ、体重80㎏の人間の大人ほどの大きさの巨大ペンギンの化石が見つかった  と表示されていました。  ペンギンが人並みの大きさ。エサの量、半端なさそう。

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