ケプラー22b | 第13章 廃墟都市
印朱 凜

エリゴネ

 オーミナガハマ市にはビルショウスキー一家以外にも盗賊がいるから、さっさと立ち去った方が無難だろう。  衛星軌道上のインディペンデンス号からの衛星写真を分析して、北東のイブキ山の麓にテントを張る事にした。荒涼とした大地には夜の帳が下り、我々の他には明かりも皆無で人の気配がしない。  なんだかんだ言ってパリノーは、スタリオンに乗ったまま僕らに付いてきた。 「もう日もすっかり暮れたし、バイクでの出発は明日にした方がいいぜ。どう考えても一緒に寝た方が安全だな」 「ああ……ありがたく、お言葉に甘えて、そうさせてもらうよ」  パリノーは周囲のあまりの暗さに怖じ気づき、五人および二頭と一緒にいる事を望んだ。  マリオットちゃんは、腕によりをかけて今夜はカレーを作ってくれた。 「カレー用の香辛料とかは普通に手に入るんだな」  総督府の地下にある工場で、大抵のものは人工的に製造できるらしい。ただし、上流階級の者だけが自由に使えて、利権を握っているらしいが。トップの人間のやる事と言ったら、今も昔も――地球と外宇宙と問わず全く変わらないようで、分かりやすくできている。  マリオットちゃんは鍋をオタマでかき混ぜながら味の微調整をしている。隠し味は愛情とのこと。 「地球の物と比べて、どうかしら?」  マリオットちゃんの得意料理らしい。肉なしのエビカレーだったが、ルーから炒めて作ったカレーは文句の付けようがなかった。  パリノーは、もう少しスープカリーのようにサラサラしている方が好みだと言っていたが、そこまで言うのなら自分で作ったり、手伝った方がいいと思うぞ。 「疲れたでしょう、おやすみなさい。オカダさん」  アディーは、ねぎらいの言葉を奉げてくれた後、車内に引っ込んで一番に眠りに着いた。 「いやだぁ……今日は風呂なしかぁ」  シュレム・マリオット姉妹も後に続いた。 「今日は地下に潜ったから、できたら風呂に入りたいけど……明日どこかで水浴びでもするか」  ブリュッケちゃんもマリオットに付いて行った。  パリノーは車の屋根の上で寝たいとのこと。もう自由にしちゃって!  今日は昨日以上に疲れた。ダンジョンの探索というかケイビングに湖賊との戦闘……僕のようなタフガイでないと、とても務まらないでしょう。  眠くて仕方ないや……僕は伸びをしてアクビを星の見える空中に放った。  

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