Milk Shakies〔ミルクシェイキーズ〕 | 第1章 気弱な男子と告白推進委員会の大人たち
こにーびー!

4話 こなた

 私の名前は 砂川《すなかわ》こなた。都内の私立高校に通う、16歳。  私には兄がいる。同じ学校の3年生だ。名前を葵《あおい》という。彼女《かのじょ》持《も》ちだ…。  話は変わるけど、私は小学6年生の途中で、お母さんとロシアに行った。  親の離婚ではない。お母さんが勤める会社からの辞令ってやつで、ロシアに出向することになった。 「ママ、1人じゃ寂しいよぉー!葵か、こなた、どっちか私と一緒に来てぇー!」と言う、お母さんの言葉に私は絆《ほだ》された…。失敗だ…。私があのまま、日本にいれば、お兄ちゃんに、あんな女が…。  そうなんだ!問題はお兄ちゃんの彼女なんだ!年上だ!あり得ない! しかも、同じ高校で事務員をやっている!  名前を 高木《たかぎ》千穂子《ちほこ》という。マジであり得ない! マジでマジカルだ!!  生徒に手を出す大人が、この世にいるなんて!  私はネットで、色々と調べたところ、お兄ちゃんのような事例は 残念なことに、けっこうあった。  その中でも、1番多い事例は 先生と生徒。たまにだが、お兄ちゃんのように、事務員さんと、恋仲になる例もあるらしい。  でも、その事務員さん。困った事に、ものすごく性格がいい。そりゃもう天使だ。  先日の朝も、自転車で転んだ年配の男性の介抱をしていたのを見た。  迷《まよ》い子《ご》らしき幼女に、話しかけていた事もあった。しかもだ!そのチビッ子と手を繋ぎ、お母さんが来るまで、一緒に交番で女の子の付き添いをしていた。  正直に話すが、そんな事は私にはできない…。だって、もしもその老人が、私のせいだ。などと言ったらと思うと、想像しただけで怖い。  チビッ子もそうだ。突然泣き出したら、きっと道行く人は 私が、その幼女をいじめたと思うだろう…。  そんな事を考えてしまう。  そして、高木さんだが、学校では つり上がったキツイ眼も、お兄ちゃんの前だと、天使の微笑みへと変貌する。  ウチのお店で、お客としてきている時も、私に気がつかない事を いとも簡単に片付けやがる…。もう泣きたい…。私だってやれば出来るんだ!やろうと思っていると、高木が勝手にやるんじゃないか!  恥ずかしながら、私はこの事を相談してしまった…。  お兄ちゃんに、「俺が高木さんと交際している事は 誰にも言っちゃダメだよ。」と言われたのに…。  私は悪い女だ…。  相談した相手。それは 胡桃《くるみ》ちゃん。幼馴染みだ。  私のお父さんと、胡桃ちゃんのお父さんは仲良し。そのお陰で、私も小さい頃から、胡桃ちゃんとは仲良しだ。  そんな胡桃ちゃんは言う。「高木さんって、《《こな》》が思っている以上に、いい人だよ。」って…。  知っているよ…。誰かに聞いてもらいたかったんだよ…。誰にも言うな!って言われていたのに…。  それなのに…。  その話しの後に、今度は 胡桃ちゃんから私に、相談をされた。恋愛相談だ。  胡桃ちゃんには。 好きな人がいるらしい。同じクラスの齋藤《さいとう》一《はじめ》と言う名の人らしい。  驚いた!?私の想像の、右斜め上の遥か先だ!私の想像は 胡桃ちゃんは桐弥君の事を好きなんだと思っていた。所がだ!齋藤一?明治維新か!?  キラキラネームを通り越しているぞ?  私は胡桃ちゃんから、4番隊《ばんたい》々長《たいちょう》の写真を見せて頂いた。感想は…。 「え!?普通なんだけど?」  思わず、声に出た。 ヤバ!? でも、胡桃ちゃんは「この普通さが可愛いんだよね!」と言う。  わからない…。乙女心は複雑だ…。まあ、私の好きな人も、大概ですがね…。  そして、私はある提案をした。 それはロシアでは けっこう有名な、恋のおまじない。  自分の好きな人と付き合えるまでは なるべく地味にしていて、好きな人以外の異性とは話をしない。  どこの国にも女子の恋のおまじないはあるのだと、感心したものだ。  日本では小学校の時に流行《はや》った、消ゴムに好きな人の名前を書いて、使いきる。的な? その類《たぐい》いである。  そうそう、これは内緒なんだけど。実は私って、他人の恋愛を見ることが大好きなのである。  あっ!今、あの人があの娘の事を見ている! とか、発見してしまうと、トキメキが止まらない…。  テレビの恋愛ドラマよりも、リアルで、胸がキュンとする。  話は戻るけど、だからと言って、高木さんとお兄ちゃんは 別だ。  こういう事を言っていると、お兄ちゃん大好き妹。みたいだが、それとは違う。  私だって、好きな人はいる。それは今は 言えないけど…。 「じゃあ、やってみる!」 「は!?」  そうだ!胡桃ちゃんとお話中だった! 「何をやるの?」 「今、言っていたじゃん!地味にする!男とは話さない!」 「マジか!?」 「マジだ!」  胡桃ちゃん…。 スゲー…。  まあ、部活もやってないし、やろうと思えばできなくも無いだろうけど。 でも、すごいな…。  胡桃ちゃんから、そんなに好かれる男子。明日、覗きに行ってみよう。そうだ!G組なら、桐弥君もいるから、土曜日の大会のエールを贈りがてら見れば、怪しまれないしね。  私って、頭いいね。  久しぶりに、学校が楽しみになったぞ!

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この作品の評価

120pt

最後まで読みました! まずは完結までの執筆、お疲れ様でした。 沢山の登場人物たちが織り成す人間(恋愛)模様が、次に何が起こるのか予想がつかず、ハラハラドキドキで面白かったです。 最後は見事に大団円でしたね。

2019.11.19 09:50

皐月原 圭

2

「最終話 #2」読破しました。あまあまあまあまあま甘ですなぁ~b

「最終話 #1」読みました。激甘ですなぁ~

2019.10.25 15:07

皐月原 圭

2

我輩も最新話まで追いついたでありんす、惹きこまれる物語でいつも楽しませてもらっています、続きを楽しみにしていますb

最新話まで、ついに追いつきましたよ。 さて、キャンプは波乱の予感。どうなるのかな? 楽しみです。

2019.10.18 11:24

皐月原 圭

2

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