ケプラー22b | 第4章 オーミモリヤマ市
印朱 凜

メレテ

 珍しく真面目にシュレムに訊いたのはカクさん。 「B級奴隷つまり男は、人間じゃなく俺達のような動物……例えるなら家畜と接している感覚なのか?」 「そこまで酷くはないわ。子孫を増やすためには男と交わらなくてはならないし」  カクさん、ナイスな質問だ。どうも中央の完全管理下において、人工授精だけで生殖している訳ではなさそうだ。  今度はスケさんがシュレムに訊いた。 「じゃあ男は何でも言うことを聞く、ものすごく地位の低い執事といったところ?」 「う~ん、そうでもないわね……おそらく地球人には分からないと思うわ。愛すべき奴隷、さげすまれつつも決して虐待されず、共存しなくてはならない存在……」 「難しすぎる。地球人には……理解不能だ」    僕はそう呟くと、市役所まで色々と考えを巡らせながら歩いた。  前にも述べたが、コンタクト・ドライブシステムによって衛星軌道上にあるインディペンデンス号のメインコンピュータと僕は、ナノテク・コンタクトレンズを通じて相互にリンクしている。  視界の中に浮かび上がるアイコンの内、ケプラー22b報告書を脳内で選択して開いた。植民惑星ケプラー22bの情報はどんどんファイルされ、頭の中で思考するだけで画像と共に報告書が自動作成されてゆく。    ジェンダーか……地球の長い歴史から導き出された通念によって社会的文化的な性のありようは形成されてきたものだが。ここケプラー22bにおいてジェンダーは自ずと適正変化し、どちらかと言えば平和主義で争いを好まない女性の方がイニシアチブを握る社会に落ち着いたと言えるのかな。

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