ケプラー22b | 第1章 査察団の到着
印朱 凜

フローラ

 いよいよ衛星軌道上にインディペンデンス号を投錨し、航星間飛行モードの解除を行った。すると動力区画から、不快な周波数の騒音や振動がブリッジにまで伝わってきて、思わず眉をひそめる。 「それでは48時間後、満を持してケプラー22bに入星する。補給物資をシャトルに積み込んだ後、当艦とシャトル、及び上陸用機器すべてにチェックをかけろ」 「了解! オカダ君、いやオカダ船長」  二頭は元気にシンクロ気味で返事した。 「違う! 俺は|国際連合宇宙局《UNOOSA》所属太陽系外植民惑星一等査察官だ」   「分かってまんがな!」   「これから忙しくなるネ。がんばろうカクさん」 「まあ、ヒマよりはマシだぜ」    スケさんとカクさんは、すばやく持ち場に分散して行った。しゃべらなければ野生動物そのもの。しなやかな身のこなしで、とても人造偽生物とは思えない。 「うひひひ、久しぶりの陸だ。オカダ君じゃなくて、陸だ! ……酒にギャンブル、それに美女が待ってるぜ」 「あなた、いつの時代の船乗りみたいな事を言ってるのよ~」 「男は船、女は港」 「あらっ! そのフレーズもいつか聞いた事があるわ。100年ほど前だったかしら……」 「お見それいたしました、スケさん。いや、姉御!」  カクさんがメモリーを蓄積開始したのは、ほんの20年ほど前から。一方のスケさんはカクさんよりも5倍以上の年齢ということになる。

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