始動

目を覚ますと、私は『セルバンデス』になっていた。 何を言っているか分からないかもしれないが、私も何を言っているか分からない。 「山本さん。最後のバグ修正したらチェックお願いしますー」 チャラい声が聞こえる。 「おし、これでいよいよリリースだな」 お、コッチはイケボだ。 何をされているかはよく分からないが、彼らの手によって自分の体がだんだん完成形に近づいていることはわかる。 「いやー、小説プラットフォーム事業やるって、最初聞いた時はどうなるかって感じでしたが、何とか形になりましたね」 「甘い、リリースするだけじゃ形にも何にもならないんだよ。ここから人が集まって、作品が集まって、人と作品が出会って、感動が生まれて……それで初めて形になったってことだから」 「なるほどです……」 イケボ、なんとなく良いことを言ってるっぽい。流石イケボ。 私は小説プラットフォームとして作り上げられた、サイト?システム?そういうものってことなんだろうな。 「だから、頑張ろうな!セルバンデス!!」 「そうですね、いっちょやったりましょう!セルバンデス!!」 突然語りかけられても……。正直何を頑張るのかもよく分かってない。 まぁ、でも 「やれるだけやってみるよ」 よいしょと立ち上がる感覚。 「あれ?山本さん。いつシステム公開しました!?」 「いや?あれ!?おかしいな。デプロイ・リリース……されてる!!」

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