zzz36. 記憶

自分の頭の中で何十回、何千回と同じ問が繰り返される。 彼は?彼はいない、彼は死んだ。 彼は?彼はいない、彼は死んだ…… 脳内で一瞬の間に何千何万回と繰り返される『問』と『確認』。人間の脳がマルチタスク出来ないって本当だろうか?だって脳内の全ての細胞が動く限りフル回転で同時に繰り返してる気がする。 記憶の分野からほんの微小な彼との記憶の破片が引き出されるたび、この『問』が無限のように湧き上がり、それを脳がシラミつぶしに『確認』していく…… 記憶を触るのが怖い。ほんの少しも触りたくない。慎重に頭を空にして思い出さないようにしてるのに、本当に小さな小さなことが切っ掛けになって目が潰れるほど眩しい彼の記憶の破片が飛び出してきて心臓に突き刺さる。 彼といた時間。 彼がいた時間。 どんどん逃げ切れなくなってきた。 一度破片が刺さると、逃げようもなく沢山の記憶が芋づる式に湧き上がる。 膨大な疑問を脳がどうやっても処理しきれずに、『彼は?』という問が私を飲み込んでいく。 気が狂うほどの渇望。 彼は……? どこ? 会いたい。 会いたいの。 助けて、もう終わりにさせて! それでも、彼はいない。 彼は、いない。

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この作品の評価

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度々すみません。 読み進めているうちに他人事とは思えず…… 自分の事が後回しになってしまったり、食べられなくなってしまうこと、よく分かります。 私が倒れたらどうするんだと思いつつも、そこまで気も回らないし余裕もないですものね。 それでも、置かれた場所は辛くても、ご自身のこともなるべく大事にしてあげて下さい。 大丈夫、とも、頑張って、とも言えないのが心苦しいのですが…… せめて、ここで聞いています。とだけお伝えしたくて。

2019.03.16 18:47

津南 優希

3

はじめまして。偶然目に留まり、筆者様の本当の言葉で綴られた、綺麗な日本語に惹かれて、3話まで拝見させていただきました。 私にも大病を患った父がいました。何を思い、何を幸いとするかは人それぞれですので、安易な応援などの言葉は控えさせていただきますが……筆者様とご家族に、これからも小さな幸いが多く訪れますように。 人は普通に過ごしていると、分かっているようで当たり前のことすら見えていないものです。時間は永遠ではないと気付いた瞬間から、本当に大切なものが見えるのだと思います。そう、あらためて考えさせられました。 堰を切って溢れたような言葉の海に、また浸かりに来ます。 執筆活動、ご無理なさらず頑張ってください。

2019.02.26 23:54

津南 優希

3

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